スペルの覚え方
いま中学1年生は、一生懸命Aa からZzの音の復習とそれらの文字で始まる単語のスペルを練習しています。「10回書いて覚えなさい」などと指導されることも多いのでしょうが、せっかく自他ともに認める英語オタクの私のところまで来てくれているのですから、1語1語丁寧にスペルと発音の関連を学んでいます。
英語には日本語の「ア」に似た音が3つあるのですが、この3つは全く別の音です。これを区別できることはとても大切なので、appleやwatch やuncle などの単語を丁寧に発音し、スペルを覚えた後、これらの音を含む単語を3つのグループにグループ分けしていきます。中1の頃から、自分がどの音を発音しているか、はっきり認識することが、高校以降の勉強に大きく影響してきます。
またl と r ですが、単語の始めに来た時はもちろん、単語の真ん中、語尾にl と r が来たときの発音の違いも認識しなければなりません。
その他にもいろいろ知っておけば便利だし、英語の発音もうまくなるルールやコツがあります。丸暗記しろ、何回も書いて覚えろと指導するのは簡単ですが、どうすれば暗記する量を減らせるかを教えるところも、英語教師の仕事かもしれません。つまり、暗記したことは忘れてしまうけれど、人はいったん理解した理屈を忘れることはめったにないのです。
また、どうしても間違ってしまう単語は、いったんノートと鉛筆を放して、手のひらに手でスペルを書いてみるなど、物理的な刺激も変えてみたりします。あの手、この手を使って、手も口も耳も目も、体のあらゆる部分を総動員して、絶対に忘れないように勉強していくのです。
たかがスペル、されどスペル。中1最初のスペルテストでいかに高得点をとらせるかが、錯覚でも誤解でもなんでもいいから、「私って、僕って英語得意かもしれない」って思わせるのが、私の仕事なのです。