小学生の間に身につけたい英語力

私は某英語検定試験の面接官をしています。ここ数年は中高生にまじって、体の小さい小学生の姿を見かけることも珍しくなくなりました。その面接試験は、音読と質問への応答で構成されているのですが、音読をさせてみれば、その生徒がどこでどのような方法で英語を勉強をしてきたのか、瞬時にわかります。

小学生で音読がまったくだめな生徒に会うと、本当に残念だと思います。筆記試験に受かってきているのですから、文法の理解力も語彙力もある程度あるはずです。でもそれは、中学以降でも十分身に付く力なのです。せっかく小学生から習い始めたのに、実にもったいないなと思ってしまいます。

いくら単語量があっても文法の知識があっても、口から出る英語が英語になっていなければ、10年勉強しようが20年勉強しようが、相手に伝わりにくい英語になってしまいます。実際のコミュニケーションがうまくいかなければ、本人も英語に自信が持てなくなってしまいます。多少読めない単語があったり、アクセントに日本語訛りが残ってもそこはいいのです。なんというか、発話全体が「英語になっている感」が大切なのです。

検定試験を受けること自体は、刺激にもなりますしいいことだと思います。でも、どのような英語力を身につけて合格したのかが、一番大切なポイントであって、合否だけに目を奪われないよう保護者の方には留意していただけたらと思います。