自分でつかむ

小学生クラスではしつこいくらい、これでもかと発音練習するようにしています。口の形を変えれば、母音の音が変わっていくことを、自分の体で実感してほしいからです。

口を横いっぱいにあけて、それから縦にもあけてみるとaの音。そのまま少し閉じるとe、もう少し閉じると i。今度は口を縦に指3本が入るくらいにあけると o の音。そして横幅はそのままに口を閉じめにすると u の音。

こういった感覚は自分でつかみとらなければなりません。発音は紙に書いたものではなく、自分の口腔、舌、歯を楽器にみたて、自ら作り出す「音」なのです。

昨日、文字を読むのが得意な生徒さんから、hut はなぜ「フット」にならないのかと質問がありました。そうですよね u はローマ字では「ウ」なので、彼女が疑問に持つのは当たり前といえば当たり前。そこでもう一度、英語の母音の出し方を練習して説明しました。cut/bun/gun/sun も同じだよね、目だけに頼って読み方を覚えるのではなく、ぜひとも日本語とは違う音の出し方をつかみ取ってもらいたい、そう願ってしつこくしくこつ発音練習しています。

先生の音のリピートだけで覚えきるのがむずかしい生徒さんでも、こうやって、一歩一歩練習していくと、きれいな音を出せるようになっていくものなのです。