リーディング教材
私の住んでいる地域の中学生たちは、この地域特有の統一学力テストを定期的に受験し、自分の偏差値と志望校の偏差値とを比べながら、受験する学校を決めていきます。で、この統一テストやその対策問題集で取り上げられる読解問題の内容が、あまり面白くないのです。大学入試の方は、「実用に強い英語」を目指していく傾向が強くなっているようで、読解文もリスニングも内容的に興味深かったり、実用的になってきています。大学入試の英語改革に取り組んでいる先生がたは、大学入試を変えることで中学、高校の英語教育を改革していくことを目指されているようなのですが、その影響がまだ高校入試には及んでいないのでしょう。
高校入試やその模試試験でよく出題される読解の内容はこんな感じでしょうか。地域の特産品について留学生やALTが知るというような話。地域の公園をきれいにするために中学生が率先してボランティアで掃除に取り組むことで、気持ちも明るくなったといったボランティア話。小さな子供の前で、急いでいたからといって赤信号で横断歩道を渡ってしまい反省する中学生の話など。 話の内容が直接、英語力の向上につながるわけでなないのですが、正直、習う方も教える方もあまりの「ぶりっ子ワンパターン」にちょっと食傷気味になってしまいます。関西育ちの私などは心の中で、「日曜の朝の早よから、公園の掃除に行く中学生なんかどこにおるんや!」って突っ込みたくなってしまいます。
そこで、ここはやはり洋書の出番。写真の本は、中学1年生で十分読める語彙、文法なのですが、内容がとても面白い。例えば、The fight after lunch というタイトルは学校でのケンカの話。I hate my best friend は親友同士でかっこいい男の子を取り合う話。簡単な語彙や文法でここまで躍動感のある文章を書けるものかと、私などは感動してしまいます。ですから、大人の方の会話や作文の練習にもいいと思います。 このような本は内容的に学校や塾では取り上げにくいのでしょうが、私の場合は私の個人塾。面白いと思うものを生徒と一緒にたくさん楽しみながら、英語そのものの実力を上げていきたいと思います。英語自体の実力が向上すれば、練習問題を少しやっておけば受験には十分対応できるのです。