英検合格を急がないで

「小学校の間に4級や3級をとらせたい」という保護者の方が多いのですが、私は生徒さんによってはストップをかけています。英検は学習の道しるべになることは事実ですが、あくまで主役は生徒さん自身であって、英検何級というのは二の次だと思っています。

英検の合格の目安はだいたい正答率6割だと言われています。特に5級や4級ではその傾向が強いと思います。学校のテストで60点って、よくできたと思える点数ではありません。

ところが5級をとると次は4級、次は3級と保護者の方も生徒さんも気持ちがどんどん進んでしまいます。小学校のクラスで、あの子は3級とったとか、まだ4級もとってないの?とかのやりとりがあるのかもしれません。私の感覚では3級のライティングの採点もかなり甘いかもしれないと思っています。英語には致命的なミスと、些末なミスがあり、もしかしてそれらが同等にカウントされている可能性もあります。

致命的なミスを残したままではその後の伸びは期待できません。合格した後に立ち戻ってリカバリーをしなればならなくなります。

ですから私のところでは小6で5級、中1で4級を目安にしています。無理せず4級がとれる実力があれれば小学校での受験もありと思いますが、とにかく言えることは英検合格だけを目標にする英語学習は本筋から外れているということです。でも英検を受けることは励みにもなります。つまり英検に左右されず生徒さん自身を主役にし、英検をうまく利用した指導が大切だと思います。

英検合格だけを目標にしてしまうと、一見先行したように見えて後からみなに追いつかれ、生徒さん本人が先々悲しむのではないかと危惧します。保護者の方にはその点ご理解をお願いしたいと切実に願っています。