論理的に英語を書くということ
私は外語専門学校で英作文を指導する他、企業などで英文メールライティングを指導しています。そこでいつも言っているのは、「論理的に書く」ことの大切さです。従来の英語教育にありがちな難解な英文解釈だけに捉われてしまうと、相手にわかりやすく伝えるというコミュニケーションの基本を忘れがちになってしまいます。
英語はいろいろなバックグランドの人が使用する言語です。話すときにも、書くときにも「わかりやすい」ということが何よりも大切なのです。それには正しい文法、適切な語彙の他に「論理的である」という点が非常に重要です。「論理的」というと何やら難しく聞こえるかもしれませんが、実は「論理的である」からこそ、誰が読んでも分かりやすい英文になるのです。論理的というと、理屈っぽくて感情が伝わらないと思われるかもしれませんが、そうではありません。人の感情も「そう感じる」にはそれなりの「論理の流れ」があり、その流れはどこの国の人にも伝わるのではないかと私は思っています。
私事ですが、先日、大学生の息子が彼女を自宅に連れてきたので、以下の英文をSNSにアップしたところ、ネイティブの友人たちが「いいね」と反応してくれました。
My son brought his girlfriend home last night. I think he's got himself a nice girl. I am happy.
ここでは、「nice」の意味を的確につかんでいることが重要です。人についてnice というと、何より「気立てが良い」ということなのです。nice の意味さえ的確につかんでいれば、このシンプルな英文3文で、私の安心した気持ちを伝えることができるのです。
わかりやすく書くためには、何よりもよい英文に触れることが大切です。必ずしも難解な英文である必要はないのです。それにはやはりネイティブの書いた英語をお手本にしなければなりません。たくさんよい英文に触れて、そして自分でも書いてみる。私のところでは英文の流れを身に着けるために、以下のようにシンプルですが、論理の流れのある、よい英文にたくさん触れ、そして自分でも書く練習を始めます。今、5年生が犬種についていろいろ調べてくれています。秋田犬やマルチーズ、トイプードル、チワワなどいろいろ調べてきてくれました。お正月明けに好きな犬種について英文レポートを書き上げる予定です。
一生けん命書いてくれるでしょうから、今から本当に楽しみにしています。