高校生の英語学習法

遠い昔、昭和の時代に神戸の高校生だった私は、学校からも親からも勉強しなさいとは一言も言われずに、自分で勝手に勉強していました。ほどよく、ほおっておかれたのです。それに比べて、今の学生は大変。次から次へと「〜講習」だの「〜模試」だと受けされられ、多忙を極めている学生が多いように思います。

英語の勉強も、次から次へと大量にあらゆるものを与えられ、アップアップになってしまう生徒をときに見かけます。やらされていることの意味も目的もわからず、量もあまりに大量で、まったく余裕がなく、結局、膨大な作業量の割に実力がつかないことが多々あるのです。

高校生の英語学習にとって、一番大切なことは、自分のペースをつかむこと。大まかな方針と計画をたて、自分なりに勉強することです。そこで高校生のみなさん向けに、私の思うところをまとめましたので、参考にしていただければと思います。

1)英文法とリーディングの勉強方法は違います。文法は参考書や問題集をたくさんやる必要はありません。薄すぎず、分厚すぎもしない本を1冊、最初から最後まで勉強してください。むずかしいと思う項目の例文は、1文でいいので正確に覚えること。例えば仮定法過去完了なら、例文を1文、正確に覚えるのです。文法の学習は高校1年生の間に終えましょう。

2)リーディングはまず教科書。学校の教科書をきっちり理解しましょう。なんとなくわかるではだめです。1文1文の語の並び方にわからないところがあってはいけません。CDをかならず購入し各単元の1セクションでいいので、音読練習し、思い出しながら書き出しみましょう。文法の勉強と違って、覚えたかどうかをあまり意識する必要はありません。余力があれば、斜め読みでいいので、同学年用の他の教科書も読んでみましょう。1年生の間に、あまりに難解すぎる英文解釈をする必要はありません。とにかく、たくさん読みましょう。2年生になったら、あらゆるものを読みまくってください。

3)語彙は、まず、教科書に出てきた単語を全部覚えてください。覚える際には、「意味、スペル、発音」の3つを同時に覚えるようにしてください。意味とスペルはわかるけど、発音とアクセントがわからないでは、後から覚えなおさなければならないので、二度手間になります。そのためにも、教科書のCDは必ず購入してください。いわゆる受験のための単語本は3年生になってからでいいと思います。まずは、出会った単語を覚えることです。忘れてしまっても構いません。覚えようと努力しているうちに、2回目、3回目には覚えられるものです。ただし、覚えようとしなければ、いつまでたっても覚えません。

4)リスニングだけを勉強するというよりも、英語の勉強にはリスニングと音読がつきものだという習慣をぜひ身につけてください。英語を勉強している間に、CDがまったく流れていないのはだめです。CDを聞く習慣ができていれば、少し対策すれば大学入試のリスニングはできます。

5)はじめから英作文が得意な人などいません。はじめのうちはみんな下手くそです。高校生の間は、解答を見て、あぁそんなものかと思うくらいでいいのです。たくさん読んで、たくさん聞いて、自分の中に英語の貯金がたまってきたら、書く力もだんだんついてくるものなのです。テストで点数をとるコツは、日本文をそのまま訳そうとしないこと。文章というより内容を自分の扱える英語で伝えるようにしてください。できるだけやさしい表現で書くのがいいと思います。ただし、文法ミスをしないこと。書いてるうちに、だんだん上手になっていきます。

英語は毎日、勉強してください。1時間もかける必要はなく、3, 40分で十分だと思います。ただし毎日。CDは毎日聞く。文法本は1冊でいいので初めから最後まで勉強する。できるだけ読む。単語は意味、スペル、発音の3セットで覚える。英作文は簡単な文で、ただし文法ミスをしない。こんなところでしょうか。1,2年の間はとにかく地道に英語そのものを勉強してください。方針さえ正しければ、3年生になってから志望校対策に乗り出しても、十分間に合います。英語の勉強は実にシンプル。自分の方針を信じて、がんばってください!(^^)!